アケビの栄養と健康効果

生薬としての利用

前項で述べた栄養成分、健康効果に加えて、アケビには生薬としての利用もあります。アケビのつるを「木通」(もくつう)と呼ぶのですが、これはアケビの茎を輪切りにした生薬木通には古くから利尿、排膿作用に効果があるとして利用されてきました。


茎にはトリテルペノイド類、ヘデラゲニン、オレアノール酸が含まれています。トリテルペノイド類というのは、がん細胞の脂肪酸合成を抑制する効果への期待がされています。


また、ヘデラゲニン化合物は、サントリー株式会社がヘデラゲニン化合物を有効成分とする骨疾患の予防及び治療剤として申請している成分で、吸収性骨疾患の予防のための保健用食品等としても有用とされています。


オレアノール酸は、虫歯菌の増殖抑制、アンチエイジングなどの生理活性が期待される機能性成分で、皮膚のシワ改善にも優れた効果があるそうです。従って、「木通」に抗炎症,利尿,抗潰瘍,脂質降下などの効果があるというのは理にかなったことなのです。


漢方的な見地では、腎臓に働き、膀胱炎、浮腫、湿疹の改善、月経不順や母乳不足などに用いるとされています。民間療法では木通をキササゲ(ノウゼンカズラ科の落葉高木で、生薬名は梓実)といっしょに煎じた液で患部を洗うという方法で浮腫治療に用いられています。漢方では「木通を煎じる」というのはかなり有名なのです。