アケビの栄養と健康効果

乾燥して効能を発揮

木通を煎じることと共に、乾燥して用いる漢方もあります。アケビの果実は八月札(はちがつさつ)、預知子(よちし)とも言って、それは乾燥して用います。アケボビの種子にはオレイン酸、リノレン酸、パルミチン酸など脂肪油が約18%含まれています。また、数種のトリテルペノイドサポニンも含まれています。


オレイン酸は、主にオリーブ油、キャノーラ油、ナッツ類などに多く含まれている一価(単価)不飽和脂肪酸です。オレイン酸は不飽和脂肪酸の中でも酸化しにくく、体内で過酸化脂質(活性酸素と結びつく)をつくりにくいのです。従って、動脈硬化、高血圧、心疾患など生活習慣病の予防・改善に向いています。


アルファリノレン酸も、人間の体に必要不可欠となっている栄養素で、もともと体中では作れない必須脂肪酸です。体中で作ることができないので、こして植物などから摂らなければならいのです。


パルミチン酸は、多くの動物性・植物性油脂にパルミチンとして含まれる飽和脂肪酸、高級脂肪酸のことです。パルミチン酸には抗酸化作用などがあるので、化粧品でもよく使われ、界面活性剤などでも利用されています。また、肌以外にも髪 、膜などの細胞活性させるビタミンAの安定化にも効果があります。


基本的は八月札も煎じるのですが、生食もできます。漢方としての効果をまとめると、胸脇部痛、胃痛、下腹部痛、月経痛、腰痛などの改善、ということになります。最近、中国では尿路結石、乳ガンヘの効果が研究されているそうです。